理事長挨拶
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江戸中期に生まれ、江戸後期に広がった石田梅岩の思想「石門心学」が、いま各界で注目されています。21世紀を生きる私たちには古ぼけた化石のような思想に見えるかも知れない「心学」が、いまなぜ? そう問いかけることから、私たちの活動ははじまっています。
梅岩が生きた享保の時代は、元禄期まで続いた江戸の経済成長が終焉し、行き詰まった社会の構造改革の時期、いわばバブル崩壊後の現代に重なってきます。しかも今や、近代以降最大とも言われる歴史的な大転換期。企業倫理の問い直しはもとより、発想自体の転換が求められています。
「先も立ち、我も立つ」、これが梅岩の思想の基本でした。混迷の時代、拠るべき根拠は結局、人のあり方そのもの。天地と共に誠実に生きる梅岩の生き方は「正直・勤勉・倹約」の思想に結晶しています。先の見えない混迷の現代、自らの足元を照らす梅岩の思想を読み解きながら、地に足をつけて、これから一緒に考えていこうではありませんか。
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心学明誠舎理事長 堀井良殷
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