石門心学文集(一) 「こころをみがく」 発刊案内


 発刊のことば( 同書 「はじめに」 から )
                                心学明誠舎理事長 堀井良殷


 「石門心学」はこころをみがき、社会のために働こうという教えであり、その場として心学明誠舎は連綿として二百二十四年間活動を続けてまいりました。
 石田梅岩の教えの如く、単に学問をする、いわゆる文字芸者にとどまるのではなく、学んで、それを実行し、さらに語り広めていく集まりであると私は考えております。つまり各舎員は、それぞれが単に講義を聴くというだけでなく、自らが何かを実践し、また心学を社会に役立てるために自分の出来る範囲で貢献する志を持って頂いている同志であります。そして舎員各位のこうした取り組みは、同時にそれぞれの自己実現の活動でもあります。
 ぜひ舎員にとお誘いしますと、石門心学という名前は聞いたことがあるが、もう少し詳しく知るには何か分かりやすい本はありませんかというお問い合わせをよく頂きます。
そこで開催しております講演会やセミナー、サロンなどの記録をまとめて、今後、順次出版していきたいと思います。今回は平成十七年から
平成二十一年前半にかけて行われた講演のなかから八編を選んで所載致しました。
 ところで「心学」の話をしますと、よく「そんな話を聞いて商売の役に立つのですか」「グローバリズムが進む競争のなかで、そんなことで戦えるのですか」という反応が返ってきます。それではお伺いしますが、
 「よき後継者を育てるために、あなたは何が大事だとお考えですか?」
 「世界を相手に、相手のペースに合わせてしまって戦いに勝てるでしょうか?」
 「人間として幸せになろうというお気持ちはありませんか?」
少しでもお答えに迷いがあるようでしたら是非「心学」の話をお聞き下さい、と申し上げております。きっとこの文集のなかにも答えが見つかると思います。

心学は単なる江戸時代から伝わる古い教えではありません。現代や未来に生きる新鮮な精神だと考えています。そして今、日本的資本主義の源流として注目され始めてもいます。
どうか今後とも、心学の集いに一人でも多くご参加下さいますよう、心よりお願い申し上げます。

目次
見直そう、石田梅岩の思想 平田雅彦
梅岩の思想と運動 辻本雅史
隠居と教育−生涯学習に向けて−
  隠居による教化運動−手島堵庵について−
高野秀晴
隠居と教育−生涯学習に向けて−
  「臍隠居」の話−隠居とは何者なのか−
高野秀晴
明誠舎をつくった人と書物 山中浩之
現代に生きる石門心学 清水正博
歴史に学ぶ大阪の人間力 堀井良殷
大阪に現存する市民塾「心学明誠舎」の通史と関わった人たち 中尾敦子
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2009年9月25日
編集・発行 社団法人 心学明誠舎
500円
郵送料別

お求めの方は、心学明誠舎事務局までご連絡下さい。
メール : meiseisha@ehle.ac.jp
電話 ・Fax : (06)4981−6899

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